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詩客 ~僕の詩一つ、地球に殴り書き~

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鍵束


無限に近い程のあらゆる鍵束を
じゃらじゃらと持っているつもりだった
でも
目の前の部屋の扉にはどの鍵も合わない

だからまだ
その場所には踏み込めていない
誰がいるのか
何があるのか
全く知らないまま

馴染みの街をやるせなくぶらり
その日初めて気づいた路地裏の店で
当たりくじ付きの紐を引っ張ると
言葉に出来ない色をした見たことの無い鍵が
勢いよく頬にぶつかった

もう一度あの部屋の前
頬に出来た痣と同じ形の鍵穴を見る

そっと息を殺し差し込む

回す

カチャリ

その音を聞いた瞬間
私は扉と等しくなった

心音だけが妙に焦って
皮膚ごしに扉を叩き始める

部屋の中に何があるのか
誰がいるのかよりも
今この瞬間の“ 時 ”こそが愛しくなって

いつまでも

ただいつまでも

鍵穴に差したままの震える指先を
閉じた瞳の奥でずっと感じていた
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by kzo10. | 2005-09-13 00:55 | 詩 - 詩を綴ります -
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